3週間の自転車旅を走りきった装備リスト|オーストラリア中央砂漠のリアルな持ち物すべて見せます|オーストラリア自転車旅・装備編

登山

【第2回】オーストラリア自転車旅:装備編

旅好きのあなた
旅好きのあなた

「自転車でオーストラリア走るって、どんな装備がいるんだろ?

筆者
筆者

正直、命がかかってくるから、選び方ひとつで天国と地獄が分かれることもあるんだよね。

旅好きのあなた
旅好きのあなた

うわ、それは怖い…。でも実際どんな装備を持って行ったの?

筆者
筆者

実際に走ってわかったリアルを、ジャンルごとにすべて紹介するよ。よかったら参考にしてみて!

前提:オーストラリアの気候と特性

オーストラリア大陸は、日本とは比べものにならないほど広大で多様な自然環境を持っている。
今回走ったのはオーストラリア中央部、いわゆる「アウトバック」と呼ばれる地域。
乾燥した砂漠気候で、季節によって日中は50℃近くまで気温が上がる一方、朝晩は0℃近くまで冷え込むこともある。

・日中は強烈な日差しが照りつけ、紫外線対策は必須
・夜間は一気に冷え込み、防寒対策も重要
雨はほとんど降らないが、まれにスコールのような突然の雨もあり得る。
・人里離れたエリアでは補給ポイントが極端に少ない。数百km単位で水や食料を確保できない区間も存在する。

また、ガソリンや飲料水の入手も場所によっては困難。
「念のため」ではなく「最悪を想定」した装備選びが求められる。
気候も補給事情も過酷だが、それだけに装備の選定は旅の成否を分ける最重要ポイントと言える。

自転車まわり

自転車

オーストラリアを旅するには壊れない自転車が必須。北海道一周やベトナム縦断を共にしてきたこの一台を、今回の旅にも連れて行くことにした。


  • → 旅仕様にチューニングした相棒。ホイールはあえて入手性重視の26HEを選択。(古のホイールサイズのためオススメしない)

  • → 8速なのでチェーンが太く、耐久性に期待。旅仕様としては必要十分。

  • → クッション性重視。長距離も快適。

  • → 長時間の走行で痛くならないよう、追加のクッションで対策。

  • → 足裏との接地面が広く、旅向きの定番ペダル。

  • → 高品質キャリア。信頼性抜群。

  • → フレームとの相性が悪かったため、鑢で加工して対応。

  • → チューブスの前後セットで揃えた。耐荷重・耐久性ともに安心。

  • → 言わずと知れた旅の定番。耐パンク性は最強クラス。

  • → オーストラリアは路肩にバーストタイヤのワイヤーが多く、予備も必携。

  • → パンク対策としては最低でも2本持参。

  • → 緊急時にはこれで応急処置。軽量・コンパクトで安心装備。

バルブは米式を選択。ガソリンスタンドの空気入れが使えるかもしれない、という「かすかな望み」も込めて。現地でのトラブルに備えた装備が、この旅の安心感につながった。

FJC5は廃番でもう手に入らない。

バック類

バック選びは旅の快適さと安全性を大きく左右する要素のひとつ。パニア=オルトリーブという信頼の方程式は、今回の旅でも変わらなかった。


  • → 世界中のツーリストが愛用する定番モデル。圧倒的な防水性と耐久性で、旅の不安を減らしてくれる。

  • → 軽さに惹かれて導入したが、耐久性にはやや不安あり。実際、オーストラリア走行中に穴が空いてしまった。

  • → 補助的な収納として便利。取り外しも楽。

  • → 地図やスマホ、小物を収納。走行中でもアクセスしやすい優秀アイテム。

  • → 自転車走行時は荷台に。ハイキング時は背負って活躍。軽量性と収納力を両立した優秀ギア。詳細レビューはこちらからどうぞ:
    【徹底レビュー】ブルーアイス「スタッシュUL25L」

     

    モンベルとオルトリーブの比較検証のつもりで両方のパニアを持っていったが、耐久性に関してはオルトリーブが圧勝だった。特に長期の旅では「壊れないこと」が何よりの安心材料になる。数年間使っているオルトリーブに比べ、モンベルは初使用で穴があいてしまった。結論:やっぱり信頼のオルトリーブ

     

小物類

細かい装備こそ、旅のストレスを左右する。軽視せず、実績あるアイテムを選ぶのがポイント。


  • → 荷物の固定はもちろん、物干しロープとしても使える万能選手。安くて軽い、これで十分。

  • → 軽量かつ通気性も良く、長時間の装着にも耐えられる設計。

  • → 夜間走行は想定していなかったが、「お守り的存在」として持参。学生時代から使っている愛用品。

  • → 驚異のコスパ。−20℃の北海道でも問題なく点灯したタフさは信頼に値する。

  • → 輪行移動時や輪行前提のトラブル回避に。軽量で持ち運びも苦にならない。

  • → 世界的に定評のあるドイツ製ロック。高価でも信頼はプライスレス。

  • → 鍵の鍵。忘れがち注意製ロック。

鍵は「アリススプリングス」のような治安が不安な地域では特に必須。数か月前にも騒乱があり、夜間外出禁止令が出されるほどだった。日中でも落ち着かない雰囲気を感じたため、盗難対策には気を抜けないと実感した。旅先では「安心を買う」意識が大事。

パッキングロープでの洗濯風景。乾燥していてよく乾く
キャンプ場の共有冷蔵庫にビールをいれていたらものの数分で盗られてしまった(自業自得)

ウェア類

インサレーション(防寒着)

  • ダウンジャケット(ビッグアグネス) ×1
  • ダウンパンツ(ネイチャーハイク) ×1

朝晩は一桁台の気温になる予報だったため、防寒着としてダウン製品をチョイス。着用すれば非常に暖かく、収納時はコンパクトに。
雨の降る可能性が低いオーストラリア中央部(アウトバック)では、ダウン素材が最適解。防寒性と携帯性のバランスに優れた装備です。

ウェア

日差しと寒暖差が激しいオーストラリア内陸部では、ウェア選びが旅の快適度を左右する。今回は3日分+防寒・日差し対策を軸に構成。

基本は「着用1+予備2」=3日分長袖Tシャツとスポーツタイツは日差し対策として最重要だったが、1セットしかなかったのは失敗。次回は複数枚準備したい。

ソックスやインナーはウール素材を選択。汗をかいても臭いにくく快適さが持続する。旅先でのQOLを大きく左右する要素。

グローブは防寒用のみで出発したが、手の甲の日焼け対策が甘く、途中で100均のグローブをカスタムして対応。備えの甘さを痛感した。

帽子は直射日光と紫外線対策に絶対必要。広いつばのあるハット型がおすすめ。

レインウェアは雨というよりもウィンドブレーカー的役割で持参。軽量かつ収納性も良いため、結果的に持って行って正解だった。

バラクラバは寒さ対策で用意したが出番なし。

手ぬぐいは汎用性の塊。「日本が誇る最強ギア」と言っても過言ではない。

ハエネットは話に聞くほどの出番はなかった(8月=現地の冬だから?)。ただし、夏に行く人は必携かも。

アウトバックでは車が少ないが、その分スピードが出ている。反射タスキなどの視認性グッズは命を守る装備だ。

日焼けによって手がボロボロだ
防寒グローブをナイフで切ってリストカバーとした。こういった工夫も旅の醍醐味

キャンプ周り

テント

軽量性と居住性のバランスで選んだのがビッグアグネスのフライクリークHV UL2 EX。旅の快適度を左右する装備のひとつ。

選んだ理由は、軽量・コンパクト・耐候性・前室の広さのバランス。

設営もシンプルで、ソロでも5分以内で立ち上げ可能。旅での疲労がたまっているときでもサクッと設営できるのは重要なメリット。

なお、砂地でのペグの効きが弱い場所もあるため、ペグ補助や重しの工夫が必要な場面もあった。

毎日朝焼けと夕焼けを楽しめる。

シュラフ&マット

睡眠の質は旅の体力を左右する。今回は冷え込み対策も重視して、2枚の断熱マットの組み合わせで装備を固めた。

シュラフは定番のモンベル・ダウンハガー。保温性と軽量性を両立したモデルで、夜間10℃を下回るアウトバックの朝晩でも快適に眠れた。

マットは2枚重ねで使用。地面側に断熱性の高いサーマレストを敷き、その上にエアー式のを使用。これが大正解。寝心地が格段に良く、疲労回復の質がまったく違った。

従来はエアーマットの収納が手間だったが、空気抜けも早く撤収も楽。長期の旅でもストレスが少なかった。

ポンプハウス4、5回分ぐらいでズームULはパンパンになる

カトラリー

旅の食事も楽しみのひとつ軽量で使い勝手がよく、米も麺も対応できる万能セットをセレクト。

基本は軽量・コンパクト重視。バーゴのマグ&スポーク&箸セットで、煮物・麺類・ご飯すべてに対応。

ナイフは定番のオピネル#7。切れ味抜群で調理だけでなく汎用性も高い。アウトドア用のカトラリーとしてバランスの取れた構成だった。

持ち手の加工が秀逸で持ちやすい。

クッカー

湯沸かし・焼き物・保存まで対応!
調理の幅を広げつつ、収納性と実用性を両立した布陣。スタッキングの相性も考えてチョイス

調理内容に応じて使い分けできる3種類のクッカーを用意。
テラHEウィークエンドは湯沸かしやパスタなどに。
アルパインフライパンは焼き料理や炒め物に最適。
バーゴのボットHDは密閉できるため、調理後の保存にも便利。

フォールディング皿やスポンジも軽量・コンパクトで、片付けもスムーズに。

カンガルー肉のソーセージ。味は自分の舌で感じてみてほしい

ストーブ

燃料問題はリスクヘッジでカバー
OD缶の入手が読めない場所では、信頼のガソリンストーブが活躍。

ガスストーブの軽量・手軽さを捨てがたいものの、ガス缶の価格と入手性がネックになることも。
アリススプリングスのアウトドアショップではOD缶250サイズが1000円超えと割高で購入を断念。

そのため、燃料の汎用性が高く、入手性の良いガソリンストーブをメインに採用。
結果として、経済的かつ安定した加熱手段を確保できた。

ガソリンの給油は1回で済んだ。
ジェットボイル13.99豪ドル≒1400円、MSR12.50豪ドル≒1250円。うん、買えない。

水筒

命を守る水の管理は、準備と工夫がすべて。
最大20Lの運搬を想定し、柔軟性・軽さ・多用途性を重視した装備構成に。

オーストラリアのアウトバックでは水こそが命綱。最大20L運搬の体制を構築。
ハイドラパックやプラティパスは未使用時にコンパクトに折りたためるため、バックパッキングに最適。

シーカー+プラグンプレイキャップ+キャンプタップの組み合わせで、簡易シャワーや蛇口として活用可能
100km間隔で設置されている貯水タンクの水を飲用するため、浄水機も携行(実際は直接飲んでしまったけど、備えは重要)。

意外な推し装備は100均のペットボトルホルダー
空ボトルを吊るしておくのに便利で、地味ながら活躍度は高い。

太陽にあてて温水の出来上がり。

お役立ち

「まさか」のために。備えが命を守る。
オーストラリアのアウトバックでは、自力対応が基本。特に夜間と緊急時の備えは優先度が高い。

アウトバックには毒ヘビ、毒クモ、毒サソリなど「毒持ち生物」が潜んでいる可能性もある。
病院はすぐに行ける距離にはないし、救急車も呼べない。
だからこそ、インセクトポイズンリムーバーの携行はマスト

照明器具はヘッドライト+ランタンの二刀流
モンベルのランタンは信頼性抜群、主にテント内で使用。Amazonで購入したランタンをメインとして活用。十分な光量でさらにはモバイルバッテリーにもなる優れもの。
夜間の設営やトイレ、緊急時にこそ「明かり」が生死を分ける可能性がある。

生活用品

衛生

過酷な旅でも「清潔」と「安心」を忘れずに。
衛生用品と最低限の医薬品は、旅の快適さとトラブル回避に直結する。

長距離・長期間の旅では体調不良もつきもの。
ロキソニンや整腸剤は「使わなくて済むならラッキー」くらいの気持ちで携行すべき。
洗濯も手洗い前提なので、洗剤系も忘れずに。

工具

走行不能は即・旅の終了。
トラブルは防げないが、「対応できる準備」で致命傷を回避できる。

最も警戒すべきは「チェーン切れ」
事前にチェーンカッター+コネクティングピンで修理の練習をしておくと安心感が違う。
意外と忘れがちだが、キャリア周りのネジ回しや調整ツールも携帯必須。
特にキャリアが重い荷物を支えているならなおさら。

重要な教訓(笑)
アウトバックではチェーンオイルを忘れると詰む
赤土で一気にオイルをもってかれ、チェーンから異音が出始める。
私はタイミングよく現地のキャンプ場でサラダ油を購入して凌いだが、再現性はおすすめできない。

スプレータイプでよかった。注油しやすい。オーストラリアにいるときは2日に1回ほど刺し続けた。

電子機器

充電できなきゃ、記録も連絡もできない。
「電源難民」にならないための装備選びが旅の満足度を左右する。

アンカーのソーラーパネルが大活躍。
オーストラリアの強烈な日差しのもと、走りながら充電可能
移動 × 太陽光で充電することで「完全オフグリッド」100%クリーンエネルギー人間な旅を実現できた。

USBケーブル類は予備も含めて複数本携帯。すべてタイプCに統一できると良い
断線や紛失も視野に入れておくと、旅先での焦りが減る。
また、GoPro用の充電や複数端末の管理をスムーズにするため、USBポート(ハブ)も地味に便利。

GoProはハイライト記録に最適。
三脚を組み合わせればタイムラプスや定点撮影も手軽。
ボタン電池や単三電池もライト・センサー系の予備電源として用意しておくと安心。

毎日ソーラー発電日和
キャンプ場にむき出しのコンセントをありがたく。

その他

旅の安全と快適さを支える「地味だけど超大事なやつら」。
忘れ物リストの最終確認にも。

タイタンストラップ最強の固定具
今回はペットボトル(4.5L)をフロントキャリアに固定するのに使用。
圧倒的な安定感で、悪路でもズレずに安心だった。

ビニールテープ・結束バンドは「現地でトラブル発生したときの神アイテム」。
応急処置・補修・固定・目印にと応用範囲が広く、持ってて損なし。

粉末スポドリやアルファ米は非常食や休憩時のリカバリーに最適。
気温が高く水の消費量も多い環境下では、ミネラル補給も意識したい。

身分証・書類・マネー周りは絶対に忘れずに。現金は0でもいける。クレジットカードがあれば旅できる。完全キャッシュ主義。場所柄、現金おことわりなこともあった。
パスポート・保険・許可証などは防水ジップ袋などで分けて管理するのがおすすめ。

タイタンストラップの固定力は本物。

まとめ

旅のスタイルや目的地によって、必要な装備は変わる。
特にオーストラリアのような広大で過酷な環境では、「足りない」では済まされない場面がある。
快適さよりもまずは安全性と信頼性。その上で、自分の旅のスタイルに合った装備を見極めていくことが大切だ。

この装備たちは、実際に現地での使用を通じて選び抜かれたものばかり。
すべての人にとっての正解ではないかもしれないが、少なくとも「こんな選び方もある」という実例にはなるはずだ。

これから旅に出る誰かが、自分に合ったギアを見つけるヒントになりますように。
そして、「装備を整える時間」そのものが、旅の始まりなのだというワクワクも感じてもらえたら嬉しい。

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